Thailand
Globetrotter

テクテクタイランド

Trang / Bangkok

May 27[Thu], 2010

女子力アップ! 南の島のビーチリゾート・トラン

トラン&バンコク

南の島のリゾートに行ってみない? という話をきいたとき、まずアタマに浮かんだのは「ついにあのワンピの出番が!」でした。去年バンコクでファラン(タイでゆうところの西洋人)のおねえさんが着てそうな背中まるだし&胸元みえそなワンピースを、一着約1000円という安さにひかれ、2着も買ってしまったのです。水着だって考えてみたら7〜8年着てないかも……いけません! これを逃したらもう二度と着る勇気がもてないかもしれません。よーし、あっちのスパでつるっつるのスベスベにしてもらってから、ビーチサイドで堂々と着てやろうじゃないか!

目指すトラン県はバンコクから南へ約800km、プーケットの東南直線で計って約140kmの位置。アンダマン海に面し、マレーシアとの国境にもほど近いです。46以上の島をもち、その島々でのビーチリゾートが有名。といっても外国人よりはタイ人に人気のちょっと穴場的なスポットなんだとか。開発されきっていないぶん自然も豊かで、素朴な雰囲気が味わえそう。しかもエメラルド・ケイブという海に面した洞窟があって、奥へと泳いでいくと、周囲を崖にかこまれたひみつのビーチに行き着くのだとか。お、それってあの「飛べる豚」ポルコ・ロッソの秘密基地じゃない? あるいはレオさまの映画「ザ・ビーチ」にでてくる宝の島? いずれにせよ良きオトコがいるにちがいありません!

日常抑圧されてる女子力を回復? アップ? させるべく、いざトランの島へまいりましょう!

夜明けに到着、「暁の寺」へ。

May 27[Thu], 2010 3:30

ハイ、バンコクはスワンナプーム国際空港にとうちゃーく。眠いです。当然おそとも暗いです。荷物をピックアアップして顔を洗い、ガイドのクンさん・運転手のトゥムさんと落ち合ったのが4時20分。朝のですよ。ちなみに本日のミッションはですね……トランへ夜行列車で向かうこと、です。

しかしながら発車予定時刻はもちろん夕方、17時5分の予定。ずいぶん時間がありますね。じゃあとりあえずバンコクの朝スポットをご紹介!できればいいなあ、ということで、とりあえずワット・アルンへ向かうことに。ワット・アルン=暁の寺というくらいですからきっと美しいハズ! 三島由紀夫の小説でも有名ですね……読んでないけど。

というわけで、チャオプラヤー川のターティアン船着き場へ。おばちゃんに3B払って朝一番の船にのりこみます。私たちのほかには2〜3人が乗るだけで船はすぐに向こう岸へ向けて出発!

船が進むにつれ、朝の群青色の空にライトアップされたワット・アルンの大仏塔がおおきくなります。去年、あそこの中段テラスまで上ったなぁ……なんて回想もつかのまに到着。着いた途端に山吹色の袈裟姿のお坊さんやおばさまたちが乗り込んできます。朝早くからお疲れさまですね。私たちもいざ、と思ったらなんと。お寺の門が閉まってるじゃないですか……

「お寺は8時半からね」とクンさん。えーそんな、どうしたらいいんですか。「どうしようもないですね。ワット・アルンは朝きれいなワケじゃないです」がーん。クンさんによるとワット・アルン=暁の寺は朝美しいから名づけられたのではないそうで。1767年のとある夜明け、時のタークシン王がビルマによる侵攻をうけて荒廃したアユタヤの地を逃れ、この寺に辿り着いた故事によるんだとか。

「ワット・アルンは夕方の方がきれいです」そうと分かれば早速引き返します。船着き場のおばちゃんの視線が痛い……

朝のオススメ、ワット・ボウォーンニウェート。

May 27[Thu], 2010 5:53

というわけでクンさんオススメの朝寺はカオサン通りにほど近いワット・ボウォーンニウェート。なるほど金色の仏塔がようやく昇りだした朝陽を浴びてきらっきらに輝いています。こちらは戒律を厳格に守ることで有名なお寺だそうで、現国王のラーマ9世も出家修行されたんだとか。現在は200名ほどの僧が敷地内の宿舎で寝起きし、修行に励んでいるとのこと。

訪れたのはちょうど朝の托鉢の時間。手入れの行き届いた境内を横切り、僧侶たちが次々と街へ出掛けていきます。白い壁に袈裟の山吹色が映えるなぁ……なんて呑気に眺めつつ本堂に入ると、この時間帯にもかかわらず熱心にお祈りをしている信者の方が。邪魔にならないよう静かにご本尊をみつめていると“Are you Japanese?”と、上品なおじさまが話しかけてくれました。きけばこの方、法医学博物館があることで有名なシリラート病院の院長先生。朝の診察前に必ずここに立ち寄ってお祈りをするんだとか。

「タイのお寺では、頭を3回床につけるようにしてお祈りをしてください」「ひとつは仏様のために。もうひとつはブッダの教えに。そしてお坊さんのため、この世界の平和のために」え、それって4回なんじゃ? なんてツッコミはしません。タイ式に深々と頭をさげると、お気楽日本人な私でもほんの少し、敬虔な気持ちになったのでした。

フラワーマーケットへ。

May 27[Thu], 2010 6:55

屋台で買った熱々のパートォンコー(揚げパン)をつまみつつ、向かったのはI.C.P フラワーマーケット。タイ語ではパック・クロン・タラード(運河の入口の市場)というらしいです。花市場といっても、こちらではお花が野菜や果物のごとく山積みにされ、一袋いくらで売られています。ムっとした熱気と花の香りの入り混じるなか、ジャスミンもカーネーションも、バラでさえも花の付け根でちょんぎられて袋詰め。どうやらこれらはお供えの花飾りをつくるためのもの。

もちろん切り花もありますよ。バラ、百合、矢車草、スプレー菊などなど。もっと熱帯特有のお花があるのかと思いきや、意外と洋物のお花が多いです。女子としてはバラでも一束……と思いましたが、このあとの行程を思い出してやめました。お水に生けてあげられないとかわいそうだもんね。

ワット・ポーで仙人さまのストレッチ。

May 27[Thu], 2010 8:00

再びターティアンに戻ってきましたよ。お次はタイ古式マッサージの総本山、ワット・ポーへ。この古式マッサージ、もともとは仙人(ルーシー)が修行で疲れた自分の身体をほぐすためにおこなっていたストレッチ(ダットン)に、ツボの指圧を組み合わせて施術したのがはじまりだとか。で、そのもとになったルーシーダットン(タイ式ヨーガ)を朝のワット・ポーでみることができるんだそうです。

境内の奥、ちょうどマッサージスクールのほうから女性の掛け声が聞こえてきました。先生らしき女性の声にあわせて10人ほどが身体を動かしています。おー効きそうだな〜と見学しているところまた先生らしき男性が「みてないで、一緒にどう?」と手招きするので、早速サンダルを脱いで列に加わってみました。一見難しそうなポーズもあったけど、思いのほか楽しくて気持ちいいです。意外とできてる〜? なんて調子に乗ってたら横から先生が「脚をもっと伸ばして!」とかビシビシ言ってきます。あたたたた……。毎日やれば確実にボディラインが美しくなりそう。

参加していたのは主にこのマッサージスクールで施術を行うお姉さんたち。お仕事前の準備体操といったところなんでしょうね。毎朝8時から30分行われていて、誰でも参加は自由だそうですよ。後ろの列にいたおばちゃんも実はチケット売り場の係のひと。「きっつ〜」とか「脚あがんない……」とかゲラゲラ笑いながら一緒に楽しんでました。

汗をかいたあとはゆっくりと境内を散策。植栽のあちらこちらにたっている像は、さっきのルーシーダットンを表したものなのだとか。さっきやったポーズもありましたありました! それぞれのポーズにはちゃんと「胃のガスを抜く」「膝の痛みをとる」などの効能があるそうです。

「朝を迎えるカフェ」でようやく朝ごはん。

May 27[Thu], 2010 9:00

そろそろお腹が空いてきました。考えてみれば朝4時から動きっぱなし……。ワット・ポー門前にあるラブ・アルン・カフェに入ることにします。「朝を迎えるカフェ」名前からしてぴったりじゃないですか?

店内は使い込まれた木製のベンチやテーブルが並べられ、懐かしのカフェの雰囲気。壁一面に取りつけられたガラスキャビネットの中にはギフト用のオブジェやアクセサリーがセンスよくディスプレイされています。床には凝ったタイルがはられていてこれまた素敵。王宮周辺にはこうした旧い建物をリノベーションした店舗が多いそうですよ。ここでのおススメは、7種類のハーブが入ったチャーハン、チキン添えのカオパッド・アサダーン・ガイ。ちょっと辛いですが、おいしいです。

スパで人間チョコレートケーキになる。

May 27[Thu], 2010 10:30

お腹が落ち着いたら眠くなってきました。朝からいろいろ廻りましたが発車まではまだたっぷり時間があります。深夜便の飛行機で疲れた身体をほぐしに訪れたのはカオサン近くのパイ・スパ。ドクターフィッシュ(足裏の角質をとってくれる熱帯魚)の水槽を横目にみつつ階段をあがり、2階の受付でコースを選びます。古式マッサージも魅力的ですが……私はその横の「デトックス」の文字に釣られてしまい、贅沢三昧のチョコレートパックコースを!

シャワーブースのついた個室に通され「5分で戻ってくるから支度してね」と言われたので、シャワーを浴び、紙パンツにガウンを羽織ってベットに横になります。頃合いを見計らって戻ってきたおばさまに身をまかせ、まずは全身のオイルマッサージ。照度を落とした室内に低く流れる音楽とアロマが眠気を誘います……。

と、強烈な甘〜い香りで目が覚めました! 目は覚めましたが、眼は開けられません。どうやら顔中チョコレートまみれになっている模様。しかたないのでチョコレートケーキになった自分を想像しながら再びうとうと……。チョコレートを拭き取り、美容液で肌を整えてもらったら最後に30分程タイ古式マッサージ。どうでしょう……うん、お肌の透明度3割増しといったところじゃないでしょうか! つるっつるのもちもちで大満足です。

ア・イーサッ・ロディでイスラミック・ランチ。

May 27[Thu], 2010 13:00

カオモックガイのおいしいイスラムの店がある、とクンさんに連れて来られたのはパイ・スパから徒歩1分、ア・イーサッ・ロディ。通りからショーケースの置かれた間口2m程の狭い入り口を入り、キッチンの前を通って奥に進むと……80人は座れる大空間が広がっています。表の店構えからは想像できないですね。ついさっき朝ご飯を食べた気もしますが(!)カオモックガイを注文。カオモックガイはカオマンガイのごはんをターメリックライスにしたようなかんじ。鶏が柔らかくてカレー風味に食欲をそそられました。

両替と買い出し、タニヤ。

May 27[Thu], 2010 14:20

「電車に乗る前に両替を、レートのいいところで」とクンさんにお願いしていたらBTSサラデーン駅前、ソイ・タニヤ入り口に附近にあるタニヤスピリットを紹介してくれました。なぜか酒屋さんなのですが……日本語で「両替」と入り口に書いてあるのですぐわかります。本日のレートは1バーツ2.77円。空港では3円弱だったと思うのでまずまずじゃないですか?

ついでに電車の旅に備えて夜食を買い込むことに。さっき食べたところなのに(!)屋台で並ぶ料理をみているとスパイシーな香りに食欲をそそられてしまいます。ビールのアテになるものを、とチョイスしたのは鶏の唐揚げ、空芯菜のいためものと野菜炒めご飯添え、カオニャオ(餅米)などなどしめて120B、約360円なり。

フアラムポーン駅に到着。

May 27[Thu], 2010 15:05

ちょっと早いですが発車予定時刻の2時間前にフアラムポーン駅に到着。普通だと30分前に駅に着けばよいそうです。100年前、ラーマ5世の時代から整備が始まったタイの鉄道網。1916年につくられたこの駅舎は建て替えによって次第に大きくなり、1998年にリニューアルして現在の形になったんだとか。鉄骨造のヴォールト屋根の下に広がる大空間は、明日からのヴィサカブーチャ(仏誕節:ブッダが誕生し、悟りをひらき、亡くなったとされる日)の3連休を地方で過ごそうと集まった人達で賑わっています。待ちくたびれてベンチで寝ている若者、はしゃいでいる制服姿の学生たち、ステージでこれから始まるイベントの準備をする人々……中央駅にふさわしい活気にみちあふれてました。夜行列車の旅がもうすぐはじまります!

いよいよ出発。

May 27[Thu], 2010 17:15

予約したのは17時5分発トラン行き急行列車83号、ファーストクラスのコンパートメント。部屋には幅2mのシートにテーブル、手洗いと鏡、500mlの水が2本とコップ、エアコン、電源までついてます。荷物をわさわさと床においてもまだ意外に広くて、さすがファーストクラス! 乗車と同時にボーイさんに頼んだビール2本240Bと買い込んだ夜食、市場で買ったチョンプー(ローズアップル)をひろげて、準備万端整いました。列車は定刻から10分遅れで発車。クンさんたちともここでお別れです。気分は「世界の車窓から」ですよ。列車は滑るように……とはいきませんけども。

さあ飲みましょう。

May 27[Thu], 2010 19:30

のんびりと止まったり進んだりを繰り返しながらいくつかの駅を通り過ぎ、車窓の農村風景もいまでは夕闇に沈もうとしています。カラフルな落書きの壁、トタン屋根の質素な家並み、家路を急ぐ渋滞の列、ボール遊びに興じるこどもたち、屋外でぼんやり椅子に腰掛ける老人……。橋を越え、街を抜け、列車は様々な景色を私達にみせてくれます。いくら眺めていても見飽きることはありません。それぞれの場所にそれぞれの生活が紡がれていることに想いをはせているうちに……ビールですっかりできあがっちゃいましたー。

しばらくするとノックがあって、乗務員さんが入ってきました。どうやらベットを整えてくれるよう。ナイスタイミング。手早く背もたれを持ち上げて金具で固定し、シーツを掛けてあっと言う間にベットメイキング完了。ありがとうございます。わたくしもうすっかりいい具合なので、今日はこのままお休みなさい……。