Thailand
Globetrotter

テクテクタイランド

Loi Krathong / Sukhothai

スコータイ

バンコクの北約440km、北部の都市チェンマイの南約350km、タイ北部の南端に位置するスコータイ。ここにタイ族によるはじめての王朝が築かれたのは、13世紀中ごろから、15世紀中ごろアユタヤ王朝に併合されるまでの約200年間のこと。タイ語で書かれた最古のラームカムヘーン王碑文に「スコータイは美しい国ぞ! 水に魚住み、田に稲穂実る」とうたわれているように豊かな土地柄を誇り、近隣諸国はもちろん中国や日本などとも貿易を行いました。世界的にも名の知られる陶器「サンカローク焼」(宋胡録)もここでつくられ、日本にも「すんころく焼」として江戸時代に入っていたそうです。またスコータイの王は代々、仏教の布教にも熱心で遠くはスリランカから高僧を迎え入れ、寺院建設などで上座部仏教の興隆にも尽くしていました。「幸福の夜明け」を意味する「スコータイ」の名は、そのことから来ているとも言われています。

700年以上が経過した現在、スコータイの遺跡は、同じくスコータイ県内にある王朝当時の主要都市であったシーサッチャナライやカムペーンペットのものとともに、東南アジアで最も価値のある史跡のひとつとしてUNESCOの世界遺産に登録されています。

スコータイとロイクラトン祭

ロイクラトンは、川が主役のお祭。その発祥は13世紀のスコータイ王朝時代に遡ります。当時の王妃が、川の水から日々受ける恩恵に対して、川の女神「プラメー・コンカ」へ感謝を捧げるために、バナナの葉でハスの花をかたどった灯籠(クラトン)をつくり、川に流した(ロイ)のがその始まりなのだとか。

現在も毎年旧暦12月の満月の夜になると、タイ全国各地で、川への感謝の気持ちを表し、自らに宿る穢れを濯ぐため、ロウソク、線香、花などで美しく飾られたたくさんのクラトンが、月を映す水面に流されます。とくにその発祥の地であるスコータイでは例年、歴史公園を舞台に、早朝の托鉢の儀式をはじめ、クラトンのパレードや、古き良き時代の庶民の暮らしを再現した展示やパフォーマンス、豪華なクラトンのコンテスト、夜にはハイライトのスコーター王朝の歴史にまつわるミュージカル・ショーなどがおこなわれるという、ひときわ規模が大きいロイクラトンが開催されます。

世界遺産に登録されたスコータイの遺跡を舞台にした、年に一度のロイクラトン祭。世界各国から観光客が集いますので、見に行きたいと思った方はすくなくとも数ヶ月の余裕をもって、交通手段や宿の確保をするようにしてくださいね。

*ロイクラトン祭については、こちらのウェブサイトから詳細をご覧いただけます。

http://www.loikrathong.net/jp/index.php

こうやって行きました

バンコクから飛行機で

ぼくたちは時間の関係でタイ航空でピサヌローク空港までいき、そこからクルマでスコータイへ入りましたが、現在バンコク─ピサヌローク便はありません。そのかわりスワンナプーム国際空港からスコータイ空港まで、バンコク・エアウェイズ直行便が1日2便運航しています。所要約1時間20分。午前は07:00発/08:20着、午後は15:20発/16:45着(2010年9月30日現在)。バンコク・エアウェイズのスコータイ空港はホテルのロビーにいるような雰囲気とサービスでとても気に入りました。機体もプロペラなので、ジェット機とは飛び方も違って楽しかったです。

バンコクから鉄道で

国鉄北線ピサヌローク駅経由

フアランポーン駅07:00の始発から、1日11本の列車がピサヌロークへ向かいますが、特急列車は08:30発/13:09着、10:50発/15:54着、18:00発/22:56着、19:35発/01:32着の4本となっています。2等の冷房車両は運賃が449バーツ(2010年9月30日現在)。ピサヌローク駅からはスコータイ市内または歴史公園へ向かう路線バスが運行しています。距離は約59キロ。

国鉄北線サワンカローク駅経由

北線本線からサワンカロークへ支線が出ており、こちらのほうが距離的にはスコータイに近い(約38km)です。ただしフアランポーン駅からの特急サワンカローク行きは1日1本10:50発/17:40着(2010年9月30日現在/2等の冷房車両は運賃が482バーツ)。またサワンカロークからのスコータイ行き路線バスも、ピサヌローク発に比べて本数が少ないです。

バンコクからバスで

北バスターミナル(モーチット)からスコータイ市内へは、9時から23時の間、約1時間ごとに運行しています。44人乗り冷房車の運賃が255バーツ。所要約7時間(2010年9月30日現在)。

行ったところ/見たもの

ワット・シーチュム

วัดศรีชุม

歴史公園の城壁の西北に位置する寺院。スコータイを象徴する「アチャナ仏」が祀られています。高さ15メートル、幅11.30メートルの大仏「アチャナ」は、「動かぬもの、変わらぬもの」という意味のバリ語で、まさにいまも変わらず、このスコータイの町を見守っています。大仏を安置する礼拝堂や横の本堂などは、後のラーマカムヘーン大王(1239–1317)の時代に建立されたものです。また菩提樹の森にあったため、「ワット・シーチュム」との名がつきました(「シー」は、「サリー」というスコータイの言葉からきていて、菩提樹を意味するそうです)。厚さが3メートルもある礼拝堂の左の壁には、大仏の裏と屋根があった部分につながるトンネルがあり、そこには釈迦にまつわる壁画が50点ほど描かれています。かつてトンネル内に入って大仏の声を真似た人がいて、以来「しゃべる大仏の寺院」とも呼ばれたりもしましたが、現在トンネルは立ち入り禁止です。8時半から17時まで。

住所 Muang Kao, Sukothai
アクセス 歴史公園の城壁の西北
料金 入場料30バーツ(スコータイ歴史公園、シサチャナライ歴史公園およびサワンカローク博物館を30日有効のフリーパス(150バーツ)もあり)

ワット・プラ・パーイ・ルアン

วัดพระพายหลวง

歴史公園の城壁の北に位置する、スコータイでもっとも古い寺院。スコータイ王朝初期、このあたりに最初の集落が形成され、つづいて寺院が建立されたと伝えられます。数多くある建造物のなかで、3基並んで建つ塔堂(プラーン)がクメール王朝のジャヤーヴァルマン7世(1130–1218)時代に建立されたもっとも古いものですが、真ん中のプラーンはスコータイ時代に修復された跡が残っているそうです。当初は大乗仏教の寺院でしたが、後に上座部仏教寺院に変わり、境内にチェディやスコータイ王朝にしかない坐像、立像、臥像、遊行像の四つの仏像「プラ・シー・イラヤボット」がつくられるようになったとか。8時半から17時まで。

住所 Muang Kao, Sukothai
アクセス 歴史公園の城壁の北、ワット・シーシュムの北約800m
料金 拝観無料

ワット・サパーンヒン

วัดสะพานหิน

歴史公園の城壁の西、高さ約200mの小高い丘陵に建つ寺院。本堂の跡には、高さ12.50メートルの「アッタロッド大仏」が祀られており、そこへ向かうには300メートルの石畳の道を登らなくてはなりません(寺院名の「サパーンヒン」は、「石の橋」という意味)。スコータイ王朝はスリランカから上座部仏教を伝授されていた関係で、立仏像とそれをおさめる本堂の建設が盛んだったようです。ワット・サパーンヒンもその典型的な寺院のひとつ。スコータイ王朝の石碑には「ラームカムヘーン大王は象に乗って度々この寺院へお参りしていた」と刻まれているとか。丘の頂上からみるスコータイの景色はなかなか雄大です。8時半から17時まで。

住所 Muang Kao, Sukothai
アクセス 歴史公園の城壁の西
料金 30バーツ(スコータイ歴史公園、シサチャナライ歴史公園およびサワンカローク博物館を30日有効のフリーパス(150バーツ)もあり)

ワット・チェトゥポン

วัดเชตุพน

歴史公園の城壁の南約2kmに位置する寺院で、ラテライトでつくられた本堂では、東に遊行像、北に坐像、西に立像、そして南に臥像の仏さまがそれぞれ祀られていました。現在残っているのは、遊行像と立像のみで、それも本堂と同じく完全な姿ではありません。8時半から17時まで。

住所 Muang Kao, Sukothai
アクセス 歴史公園の城壁の南約2km
料金 拝観無料

ワット・チェディ・シーホン

วัดเจดีย์สี่ห้อง

ワット・チェトゥポンの向かいにあり、大小のチェディ(仏塔)や、礼拝堂などの建物が比較的きれいなかたちで残っています。とくに大仏塔の周りには天使や象、狛犬などが美しく刻まれており、見どころのひとつとなっています。これらはスリランカ仏教美術の影響によるもので、またスコータイ王朝の寺院の特徴でもあります。8時半から17時まで。

住所 Muang Kao, Sukothai
アクセス 歴史公園の城壁の南約2km
料金 拝観無料

スコータイ歴史公園

อุทยานประวัติศาสตร์สุโขทัย

スコータイ市内から西へ12キロ、面積約70平方キロメートルの広大な歴史公園。3重の城壁の内外に、寺院を中心として200件の遺跡が文化庁の下で管理・保存されています。スコータイ王朝は、ここを中心に発展しましたが、城壁内の遺跡としては、ワット・マハタート、ワット・シーサワーイ、ワット・サ・シー、城壁外の遺跡としては、ワット・シーチュム、ワット・プラパイ・ルアン、ワット・チェトゥポン、ワット・サパーンヒンなどがそれぞれの代表的なもの。城壁内の各寺院は19時から21時までライトアップされ、たいへん見応えがあります。

住所 Muangkao, Amphur Muang, Sukhothai 64210
アクセス スコータイ市内プラルアン橋近くに15分おきにソンテウが出ています。
料金 公園内入場料40バーツ、公園外のワット・シーチュム、ワット・チャーンローム、ワット・サパーンヒンはそれぞれさらに30バーツの拝観料が必要。歴史公園を中心に回る方には、以上の寺院のほか、ラームカムヘーン国立博物館、シーサッチャナライ歴史公園、サワンウォラナヨック博物館を見学できる150バーツのパスがおすすめです(30日間有効)。
問い合わせ先 歴史公園インフォメーションセンター Tel:05-569-7310

ワット・トラパン・グーン

วัดตระพังเงิน

歴史公園内にあり、有名なマハタート寺院から西へ300メートルのところに位置しています。「トラパン」とは、クメール語で「池」という意味。池のほとりに建つため、この名前がついたそうです。つぼみ状のハスの花のかたちをしたチェディの周りには立像と遊行像が祀られています。礼拝堂は仏塔の前に、そして本堂は池の真ん中の小島にあります。ロイクラトン当日の早朝の托鉢の儀式は、この小島にある本堂で行われます。神秘的な時間を味わえるので、早起きして参加する甲斐がありますよ。6時から21時まで(ただし入場券の販売は18時まで)、19時から21時まではライトアップされます。

住所 Muang Kao, Sukothai
アクセス 歴史公園内
料金 歴史公園入場料40バーツ(スコータイ歴史公園、シサチャナライ歴史公園およびサワンカローク博物館を30日有効のフリーパスもあります。150バーツ)
問い合わせ先 歴史公園インフォメーションセンター:Tel: 05-569-7310

泊まったところ

ルアン・タイ・ホテル

เรือนไทย

コンテンポラリーなタイ建築とモダンな生活との融合をコンセプトにつくられた、全28室のこじんまりとしたリゾートホテル。伝統家屋を意識したつくりのコの字型の建物の真ん中には小さなプールもあり、とてもリラックスできる雰囲気。1階の客室は大理石風の床に、ゆったりとしたダブルベッド、テーブルは古いミシン台を再利用したものとなっております。朝食をとる離れのレストランは、風化された遺跡のような演出がなされてました。スコータイですからね。2008年にスコータイ市長より、ベストホテルに選ばれたらしいです。

住所 81/20 Soi Pracharuammit Charodwititong Rd.Thani, Muang, Sukhothai 64000
アクセス 市内の市場から車で約15分
料金 Standard 1200~1500バーツ
問い合わせ先 Tel: 05-561-2444

ル・チャーム・スコータイ・リゾート

เลอ ชาร์ม สุโขทัย รีสอร์ต

歴史公園の近くにあるリゾートホテル。ハスの花が咲く池や水路をめぐらせた庭のなかに点在するコテージ風の部屋はすべて広いバルコニーつき。ベッドもセミダブルが使用されていて、居心地のよい空間です。レストランやプール、マッサージ(有料)サービスも。歴史公園を散策するのには最適なロケーションです。

住所 9/9 Napho-Khirimas Road, Tambon Muangkao, Sukhothai 64210
アクセス スコータイ空港から専用車で約1000バーツ
料金 Superior Room 2500バーツ
問い合わせ先 Tel: 05-563-3333

食べたところ

クイッティアオ・タイ・トンガチ

ก๋วยเตี๋ยวใต้ต้นกะจี้

白いお米でできた麺と、豚肉、ニンニク、インゲン、コリアンダー、ピーナッツなどの具に、ナムプラー、砂糖、唐辛子で味をつけたクイッティアオ・スコータイが自慢の店。クイッティアオ・スコータイには欠かせないピーナッツや唐辛子を自前でつくっているから、できあがりが香ばしいそうです。米麺以外にも、バミーやはるさめなどさまざまな麺をベースに、スープあり/なしが選べます。木造平屋建ての民家の横に立つ南洋桜の木が、地元の言葉で「トンガチ」と呼ばれることから、この店名がついたとか。お店の前で売られるソティや伝統菓子もおすすめです。9時から15時まで。

住所 232 Charodwititong Rd, Thani,Amphur Muang, Sukothai
アクセス ラチャタニ・ホテルの近く
料金 1杯20バーツ
問い合わせ先 Tel: 05-561-1087

ドリーム カフェ

ดรีม คาเฟ่

シーイントラティット通り沿いに20年以上前から営業している、おしゃれなバー&レストラン。基本的にタイ料理を提供していますが、黒胡椒がきいたフィレステーキのヌア・サンナイ・プリックタイ・ダム[เนื้อสันในพริกไทยดำ]や、ライム風味の鶏料理、ガイ・マナオ[ไก่มะนาว]といった洋風の料理もおいしいです。インテリアはアンティーク調で、静かで真っ暗になるスコータイの夜にぴったりの店。また、ワインなどのお酒や、オリジナルのスタミナドリンク類も豊富です。10時から23時まで。コクーンというゲストハウスも併設しています。

住所 86/1 Sighawat Rd,Thani, Amphur Muang, Sukothai
アクセス パタラウェート病院近く
料金 一皿100バーツ前後
問い合わせ先 Tel: 05-561-2081

ラーン・チェヘー

ร้านเจ๊แฮ

クイッティアオ・スコータイとトム・ルアッド・ムー[ต้มเลือดหมู]が有名な店。トム・ルアッド・ムーはあっさりした薄口のスープに豚の内臓と血の塊、野菜などの具がはいった、朝の人気メニュー。クイッティアオは、バミー(小麦麺)、センミー、センレック、センヤイ(米麺:太さがちがいます)と各種揃ってます。スコータイのメインロードであるチャロッドウィティトーン通り沿いにあるのですぐにわかります。

住所 6/10 Moo 12 Charodwititong Rd, Amphur Muang, Sukothai 64000
アクセス 市内の市場からバイクまたはソンティウで約10分
料金 1杯25バーツ
問い合わせ先 Tel: 05-561-1901


カノムチーン・バンナー

ร้านขนมจีน บ้านนา

カノムチーン・ナームヤー[ขนมจีนน้ำยา]専門店。カノムチーンとはゆでたそうめんのような麺で、その上に細かくほぐした魚のカレー・ナームヤー[น้ำยา]やピーナッツ入りで甘味のあるカレー・ナームプリック[น้ำพริก]、グリーンカレーなどをかけ、高菜漬け、もやし、空芯采などの野菜を添えて食べるもの。そうめんは通常白いんですが、このお店は菊やニンジン、抹茶などをつかった5色のそうめんがでてきます。一皿30バーツで、かけるカレーは食べ放題というシステム。いろんなカレーを試せてたのしいです。8時から18時まで。

住所 16/39 Charodwititong Rd, Baan Na, Amphur Muang, Sukothai
アクセス 歴史公園からバイクまたはソンテウで約10分
料金 5色そうめん一皿30バーツ、カレーは食べ放題。
問い合わせ先 Tel: 05-563-3274