*イーペン祭り(Yi PengまたはYee Peng)
タイ北部の方言で灯ろう流しのお祭り「ロイクラトン」を意味します。タイ北部の方言で「イーペン」(「イー＝数字の2」、「ペン＝月」)と呼ばれ、かつては2月に開催されていました。タイ全土で行われる灯ろう流しのお祭りについて聞いたことがなくても、イーペン祭りの映像は見たことがあるかもしれません。何千もの紙灯ろうが夜空に漂う景色は幻想的で、その美しさは多くの人々を魅了しています。まるで別世界にいるような忘れない光景に感動する一生に一度は見てみたいお祭りです。

イーペンの意味
紙灯ろうを夜空に放つ様子は見た目にも美しいですが意味を持ちます。 紙灯ろうを空に上げること(コムローイ)で全ての病気や不幸を手放した状態で旧正月(New Lunar Year)を迎えられることを象徴しています。タイの人々は紙灯ろうを放つときに願い事をし、その願い事は善い行いを心がけることで叶うと信じられています。また、仏陀に敬意を払うという意味も込められています。

イーペンのお祝い
タイ北部でも特にチェンマイ全体でイベントが開催され、ピン川を中心にクラトン(灯ろう)を流します。美しく飾られたクラトンを模したフロート(山車)のパレードを楽しむこともできます。紙灯ろうを空に放つほか、タイ伝統舞踊、パレード、ライブミュージック、パーティー、さらには芸術や工芸を学べるさまざまなワークショップの出店があります。おいしい食べ物が売られている屋台もたくさんあり、フェスティバルの期間中は毎晩定期的に花火が打ち上げられます。

コムローイについて
コムローイ(Khom Loy)とは、紙で作られた熱気球状の紙灯ろうを夜空に放つ行為を指します。紙灯ろうの中に火を灯し、熱気で浮かび上がらせて空に飛ばします。このコムローイを行うイーペン祭りは、タイ北部、特にチェンマイで広く行われていますが、参加できる場所には制限があります。これは、紙灯ろうが航空機の運航に影響を及ぼす可能性や火がついたまま落下した場合に火災の危険があるためです。また、落下した紙灯ろうのゴミの問題など、自然環境や近隣住人にも配慮する必要があります。イベントの主催者が紙灯ろうの販売や放つ許可を得ているかを必ず確認してた上でご参加ください。

注意
コムローイ上げは大変人気がある一方で、環境に与える影響などさまざまな課題があることから、政府による制限が数多く設けられています。イーペン祭りでは、一人が複数の紙灯ろうを空に放たないように個数制限が推奨されています。環境に配慮したい場合は、この美しいお祭りを目で見て楽しむという選択肢もあります。

コムローイ(紙灯ろう上げ)参加方法
1. お祭り会場の露店で紙灯ろうを購入（大きな紙灯ろうの方が打ち上げが簡単）
2. 紙灯ろうに願い事を書く
3. 薄い紙素材のため破れないように注意する
4. 紙灯ろうを持って願い事をしている間、周りの人に火を灯すのを手伝ってもらい紙灯ろうを放つ
5. 紙灯ろうが手から離れて自然に熱の勢いで空に飛び立つまで待つ