
パヤタイ宮殿は、バンコク中心部にある歴史的建造物で、100年以上にわたる豊かな歴史を持ちます。かつてこの地は水田でしたが、ラーマ5世(チュラロンコーン大王)の時代に100ライ以上の土地が買収され、作農作物の栽培研究や王室の憩いの場、また来賓をもてなす迎賓館として、そしてサワン・ワダナ王妃の住居として利用されました。
その後、ラーマ6世が王室の邸宅として利用し、英国式民主主義を模した「ドゥシット・タニ・ミニチュア・シティ」の建設も進められました。ラーマ7世の時代には一時「パヤタイ・ホテル」として使用され、さらに国営ラジオ局が開設され、最終的には軍病院となり、現在のプラモンクックラオ病院の起源となりました。
1932年の立憲革命以降は、宮殿内が王室の謁見の間や劇場としても使われました。中でも印象的なのが、ピマン・チャクリー王座の間です。ロマネスク様式とゴシック様式が融合したレンガ造りの建物で、ドアパネルの上部にはラーマ6世の王室イニシャルが刻まれています。1階にはダイニングルームや応接室、キッチンがあり、美しいドライフレスコ画で彩られています。2階は王室の住居で、ラーマ6世の寝室、王妃の寝室、書斎、王座の間などが並び、格式高い装飾が施されています。3階は後に増築され、王室の寝室として使われました。
宮殿敷地内には以下のような特徴的な建築があります。
●スリ・スタニヴァス王座の間(旧称:ラクシュミ・フィラス王座の間)
小さなドームを持つ2階建てで、英国ゴシック様式が美しく、アール・ヌーヴォーの花の絵画が壁と天井に描かれています。
●テーワラート・サパロム王座の間
サヴァング・ヴァダナ王妃のために建てられ、王妃のイニシャル「สพ」が現在も壁に残されています。
●ウドムワナボーン王座の間
かつてのクラン・ビルディングの跡地に建てられ、他の王座の間とは異なる特徴を持ちます。
●メーカラ・ルチ宮殿
パヤータイ運河沿いに建設された新古典主義様式の小宮殿で、謁見の待合室や王室の車の駐車場として使用されました。
●ローマ庭園
幾何学的に整備された景観の中に、ローマ建築様式のパビリオンが点在し、静謐な雰囲気を醸し出しています。
現在、パヤタイ宮殿はその本来の美しさを取り戻すための保存・修復活動が行われており、各種イベントや文化行事の会場としても活用されています。
基本情報
名称 | パヤタイ宮殿 |
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名称(英) | Phayathai Palace |
URL | http://www.phyathaipalace.org/index.php |
営業時間 | 土曜日:8:30~13:30、日曜日:8:30~10:30 |
料金 | 大人40バーツ、小人10バーツ |
電話 | 02-2557-732 |
備考 | https://www.facebook.com/PhyathaiPalace/?locale=th_TH |
地図 | Googleマップで確認する |