タイを代表するクリエイターにインタビュー vol.1

日本でも愛される「マムアンちゃん」の生みの親、 漫画家・タムくん

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雑誌『リンネル』や『THE BIG ISSUE』に登場するチャーミングな女の子のキャラクター「マムアンちゃん」をご存知ですか? 丸みを帯びた栗色の髪、純真無垢な愛らしい瞳、ほのぼのとしたキャラクター性で見た人の心をハッピーにしてくれる彼女の生みの親は、タイを拠点にしながら日本にも数多くのファンを持つタムくんこと、漫画家・ウィスット・ポンニミットさん(以下、タムくん)。日本の著名なアーティストやミュージシャン、ファッションブランドとコラボレーションをしたり、2013年から毎年、六本木ヒルズA/Dギャラリーで開催している展覧会には総勢約25,000人を動員するなど、国を越えて活躍の場を広げるタムくんに、最愛のキャラクター「マムアンちゃん」のことやタイのアートシーン、さらにはタイのおすすめスポットについて伺ってきました。

——タイだけでなく、日本でも高い人気を誇るマムアンちゃんですが、もともと彼女をどんな子にしようと思って誕生させたのでしょう?

もともと「何も考えていない人」を描いてみようというのがあって、それなら大人じゃなくて子どもだよなとか、男の子より女の子だよなとか、線はシンプルに一本の方がいいかな……と細かい部分が決まっていった感じ。マムアンちゃんは、考えすぎる僕とは正反対。このキャラクターだからこそ、どんなストーリーにもなじめるし、一人で突然出てきても不思議じゃないんだろうね。

——マムアンちゃんのイラストに、タムくんの言葉がタイ語、英語、日本語で添えられたメッセージ「hitokoto」がSNSで大人気です。始めたきっかけは? 

最初の投稿は2011年。渋谷の喫茶店で人を待っている間に何か描きたいなーと思って、ペーパーナプキンに描いたものが始まりなんだ。本当につぶやきみたいな感じ。それをSNSに投稿したらすごい反響で驚いたよ。僕の投稿を見て、「元気をもらいました」「ハッピーになりました」とか、ポジティブなコメントがたくさん届いて。簡単にできることでたくさんの人たちが幸せになれるなら、続けてみようかなって。

——「目の中に明日がある」や「愛はいろんな形に表れる」など、マムアンちゃんからのメッセージには、ハッとさせられる独特の視点を感じます。

意識しているのは、みんなと同じことは言わないこと。例えば「お腹すいた」はみんなつぶやくよね。それを、敢えて違う言葉を選んでどう伝えるか。みんなが考えない、違う角度の言葉を見つけようとはしている。ひとつの視点だけ、ひとつの意見しか聞かないと、ひとつの世界しか生まれないでしょ。別の見方、違う意味を見出せないかなと考えていいます。

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——メッセージはどういう時に考えたり、浮かんだりするんですか?

それこそ、いろんな時だよ。思い浮かんだら、常にメモしてる。本当に夢だったかのように、思いついた言葉を忘れちゃうんだよね(笑)。あれ、あんなにいい言葉があったのにって。

——アーティスト・漫画家以外にも音楽や映像制作の分野でも活躍するタムくんですが、日本とタイの活動で違いはありますか?

それぞれの国で文化が違うから、その国に合ったやり方で活動している感じ。日本は、個人それぞれが持っている小さなアートカルチャーが根づいて、その個人がコラボレートして「みんな一緒に創り上げよう」という雰囲気がある。タイでは、まだそういう文化がないかな。

——なるほど。これまでにロックバンド「くるり」のPVを制作されたり、ミュージシャンとしての活動では細野晴臣さんや星野源さん、原田郁子さん、さらに詩人・谷川俊太郎さんなど、多くの日本人とコラボレートしてきましたね。その度に話題になってきました。

ファッションや音楽、写真家などのクリエイターたちと仕事をしてきたけど、これはタイではやっていないこと。だからこそおもしろい。僕一人では考えられなかったアイディアが、ジャンルの違う人たちと合わさることで、新しい作品が生まれる。タイでは、すべて企業から依頼を受けたもの。その企業のプロモーションとしてマムアンちゃんを登場させたり、グッズを作ったり。

——タイでは個人の活動がほとんどなんですね。

そうです。あと、タイにいる時は休みたいから(笑)。タイは僕にとってゆっくりできる、リラックスするための場所なんだ。僕が大切にしているのは、幸せを感じられるかどうか。忙しくすることが僕の幸せじゃない。今は、みんなに僕の作品を知ってもらえて、それを知ることで幸せになってもらえる。だから僕自身も幸せを感じられる。もっと忙しくしようとは思わないし、タイで休むからこそ日本で精力的に活動できるとも思う。

——TCDC(Thailand Creative Design Center)BACC(Bangkok Art Culture Center)など、国や都が運営する大型アート施設をはじめ、国全体でアートやクリエイティブの分野に力を入れていたりと、年々タイのアートシーンが盛り上がってきているなと感じます。タムくん自身はどう感じますか?

イベントやギャラリーも増えて、活気づいているなと感じる。ただ、それはアートシーンだけじゃなくてタイ全体に勢いがあるなと。みんな前に進むエネルギーがすごいというか、ショップでもアートでも何でも、自分がやりたいことに自信を持って進んでいる。特に若い世代からそれを感じるし、以前のタイよりも大人になったというか……。これからまだまだ伸びる。もっともっと盛り上がりが増していくと思うよ。

写真提供:BACC(Bangkok Art Culture Center)

——個人のギャラリーも増えましたし、訪ねる日本人も増えています。

ギャラリーが増えるということは、タイのアーティストの表現の場も増えるということ。ギャラリーはアーティストの見せ場であると同時に、夢の発信地でもあるからね。多くの人に見てもらえることを励みに、それを目標にしてモチベーションも上がっていると思うし。今の若い世代は、たくさんのスタイルがある。世界中のいろいろな作品を見て、勉強しているなと感じるよ。

マムアンちゃんの作品も展示されたタムくんの展覧会「LR展」。日本では、六本木ヒルズA/Dギャラリーで、バンコクでは、BANGKOK CITYCITY GALLERYで開催。

——タイのアート業界においてタムくんはどんな役割だと思いますか?

うーん、何もないかな。僕は、自分がすごい人だと全く思わない。だけど、周りの人たちには本当に感謝している。僕に仕事を頼んでくれてありがとうって。だからこそ、僕の作品を通してみんなの心を少しでも軽くしたい。それが、僕のできることだなって。


——最後に、タイのおすすめスポットやタイの魅力を教えてください。

去年の年末、のんびりしたくて行ったクット島は海がきれいでリラックスできて、本当に良かったよ。初めて聞くような鳥の声をたくさん聞けたし、自然に囲まれていたので心も休まった。バイクを借りて島を観光したりもしたな。でも改めて「タイってすごいな」って感じたよ。だってバンコクみたいな都会もあればローカルなエリアもあるし、海がきれいなリゾートもあるし、多彩な国だなって。

写真:タイ国政府観光庁

――自然も豊かで海もきれいで、パワフルな国ですよね。ちなみに、バンコク市内にはおすすめスポットはありますか?

バンコクだと、本当に家の周りばっかりいるからな〜(笑)。近所の食堂だったりバーだったりに行ってるよ。おすすめを1つ上げるとしたら古いビルの中に入っている「Ku bar」かな。ちょっと中心部から離れているけど、ぜひ行ってみて。

<プロフィール>
Wisut Ponnimit / ウィスット ポンニミット
1976年、タイ・バンコク生まれ。愛称はタム。バンコク、シラパコーン大学デコラティブアート学部卒。1998年バンコクで漫画家デビュー。2003年から2006年まで神戸に滞在。2009年『ヒーシーイットアクア』が文化庁メディア芸術祭マンガ部門奨励賞受賞。現在はバンコクを拠点にアーティスト・漫画家として作品制作の傍ら、アニメーション制作・音楽活動など多方面で活躍する。主な作品に「マムアン」シリーズ、『ブランコ』(小学館)、『ヒーシーイット』シリーズ(ナナロク社)など。
HP:http://www.wisutponnimit.com/


<タイ国内 マムアンちゃんグッズ取扱い店舗>・Lido Multiplex2階本店
Rama I Rd, Khwaeng Pathum Wan, Khet Pathum Wan, Krung Thep Maha Nakhon 10330

・BACC3階「happening shop」
https://www.happeningandfriends.com/home

・The Jam Factory「Candide books」
https://www.facebook.com/CandideBooks/

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