タイの食文化について 〜南部編〜

タイで一番辛い?海の豊富な資源と刺激的な辛さが特徴のタイ南部料理
タイの食文化について 〜南部編〜
  • タイの食文化について 〜南部編〜
  • タイの食文化について 〜南部編〜
  • タイの食文化について 〜南部編〜
  • タイの食文化について 〜南部編〜
  • タイの食文化について 〜南部編〜
  • タイの食文化について 〜南部編〜
  • タイの食文化について 〜南部編〜
  • タイの食文化について 〜南部編〜
  • タイの食文化について 〜南部編〜
  • タイの食文化について 〜南部編〜

タイ料理には大きくわけて、バンコクを中心としたタイ中部料理、プーケットなどのタイ南部料理、チェンマイなどのタイ北部料理、タイ東北部のイサーン料理と4つの郷土料理があります。刺激的な辛さが特徴のタイ南部料理をご紹介します。

南部料理の味の決め手は「辛味」「酸味」「甘味」の三つ巴。タイ人が思うタイ南部料理のイメージは「辛い」。辛さの中に酸味と甘みがあり、くせになるおいしさを秘めているのが特徴。病みつきになるタイ南部料理についてタイ国政府観光庁東京事務所 前所長 セークサン・スィープライワンがご紹介します。

タイ南部料理はタイ語で「アハーン・パックターイ」と言います。アハーン=料理、パック=部、ターイ=南。タイ南部料理は、辛さと酸っぱさと甘さのバランスの良さの他に、見た目が黄色いものが多く、炒め物もスープもカレーもその多くは黄色です。なぜなら、それはターメリック(ウコン/タイ語で”カミン”)を使うからです。ターメリックは消化を助けるハーブで、南部料理の多くに使われています。

タイ南部料理の典型的な酸味を形づくる立役者はライム、レモン、タマリンド、ソムケーク(ガルニシア)です。ソムケークは、インドのアッサム地方からきた酸味の強い柑橘で、仕上げに入れることで味が引き締まります。

南部料理には、海産物を多く使用します。地理的に海が近く魚介類が豊富に手に入るからです。カニやエビは川よりも海の物を使います。また、朝食からカレーを食べる文化があります。朝から酸っぱくて辛いハーブやスパイスがふんだんに使われた南部のユニークなカレーを食べて元気をつけます。

イスラムや中国の影響を受けた南部の食文化で、イスラム教を信仰する人たちは豚肉や酒類は摂らず、鶏肉や魚を食べます。使う食材もイスラム文化に影響されています。

南部おすすめご当地料理16選

1. 黄色いスープカレー「ゲーンルアン」Kaeng Lueng แกงเหลือง


ルアンはタイ語で黄色。ターメリック入りの黄色くて塩味が強く酸っぱくて辛いカレーです。ジャスミンライスと一緒に食べる、南部料理の代表格で朝食としても好んで食べられます。タイ中央部では「ゲーンソム」と呼びます。

材料:
魚(スズキ、脂肪の多いマグロ、サバ)か肉、タケノコ、乾燥唐辛子、プリッキーヌ(唐辛子)、にんにく、ターメリック、ホムデーン(エシャロット)、しょうが、エビペースト(カピ)、干しエビ、タマリンドジュース、ライムジュース、ソムケーク(柑橘・酸味の決め手・最後に入れる)
白身魚(スズキやフエダイの仲間)のイエローカレーは、「ゲーンルアン・プラーカポン(パーカポン)」といいます。

スパンレストラン

2.辛くて香りが強いカレー「ゲーンタイプラー」 Kaeng Tai Pla แกงไตปลา


独特のにおいのある濃い茶色の魚カレーです。ごはんや発酵米麺「カノムチーン」と一緒に食べます。カレー自体がとても辛いので箸休めに生野菜やゆで卵を食べます。

材料に入っている発酵した魚の内蔵のエキス「タイプラー(タイパー)Tai Pla」は、タイ南部の発酵調味料。タイ東北地方(イサーン)の「プラーラー(パラー)」は川魚を発酵させたものに対し、タイプラーは海の小魚に米ぬかを加えて発酵させています。様々な料理の調味料として使われていて、匂いが強く塩味のある調味料で味の決め手となり、必ず温めてから使用します。

材料:
焼き魚(サバなど)か揚げ魚または干し魚、にんにく、乾燥唐辛子、ホムデーン(エシャロット)、白コショウ、黒コショウ、コブミカンの葉、ターメリック、レモングラス、タマリンドジュース、しょうが、タケノコ、発酵した魚調味料

<こぼれ話>
カレーペーストを作る時は、ホムデーン(エシャロット)を最後に入れるのがポイント。先に入れると水っぽくなってしまいます。
南部地方は全般的に辛いですが、中でもナコーンシータマラート県は一番辛いと言われています。一方プーケットは辛さが比較的マイルド。朝食メニューとしても人気です。

3.辛くないカレー「バイリヤントムガディ」Bai Lheang tom Gati ใบเหลียงต้มกะทิ


バイリヤンの葉っぱをココナッツミルクで煮込んだカレーです。タイのほか、マレーシアやインドネシアでも健康食材として重宝されているバイリアンの葉は、苦味も匂いもない歯ごたえの良い葉っぱです。辛くないので子供も食べられます。辛いのが好きな人はプリッキーヌーを入れて調整できます。

材料:
ココナッツミルク、バイリヤンの葉、ホムデーン(エシャロット)、にんにく、白コショウ、干しエビ、塩、砂糖、エビペースト、海エビ

<こぼれ話>
見た目も味も、鶏肉をココナッツミルクで煮込んだ「トムカーガイ」に似ています。

4.カニカレーがけそうめん「カノムチーンナムヤープー」Khanom Chin Nam Ya Pu ขนมจีนน้ำยาปู


パンガー県、プーケット島、ナコーンシータマラート県で朝食メニューとして人気のカニカレーがけそうめん。カレーはターメリックが使われた黄色いさらさらしたルー。生野菜やゆで卵と食べてもおいしいです。辛すぎると感じた時は、いんげん、きゅうり、なす、ハーブなどの野菜とゆで卵を食べて辛さを抑えます。

材料:
ハーブ、南部のカレーペースト、ターメリック、海のカニ、タイプラー(魚の発酵調味料)

<こぼれ話>
プーケットで一番賑やかな観光地パトン・ビーチに宿泊する時は、ホテルの朝食もよいですが、タクシーやトゥクトゥクでプーケット・タウンまで朝食を食べに出かけるのもおすすめです。パトン・ビーチの多くのレストランは日没後に開くため、地元の人たちが普段食べている朝食を食べるのは、タイならではの体験で価値があります。

5.カニ入りココナッツカレー「ゲーンプーバイチャップルー」Kaeng Pu Bai Cha Plu แกงปูใบชะพลู

パンガー県、プーケット島に行ったら食べて欲しい料理。タイ語でゲーンはカレー、プーはカニを意味します。ココナッツミルクとバイチャプルーの葉に海で穫れたカニの身がたっぷり入ったカレーは香りが強いです。中央部では乾燥したバイチャプルーの葉っぱを使いますが、南部では生の葉っぱを使います。ご飯や、そうめんに似た発酵米麺「カノムチーン」と一緒に食べます。バイチャップルーの葉は、前菜として食べるミヤンカムに使われている葉っぱです。

材料:
カニ、千切りにしたバイチャプルーの葉、ココナッツペースト、ナンプラー、乾燥唐辛子、しょうが、ターメリック、レモングラス、エシャロット、にんにく、白コショウ、エビペースト、塩、ココナッツミルク、パームシュガー

<こぼれ話>
プーケット・タウンの老舗レストラン「ラヤー」のシグネチャーメニューです。

6.透き通ったターメリック色の優しいスープ「ガイトムカミン」Kai Tom Kamin ไก่ต้มขมิ้น


魚や鶏肉を入れたレモングラスが香るウコンスープ。辛くなくほっとするやさしい味です。もちろん辛いのが好きな方は唐辛子を入れて辛さを調整できます。ご飯と一緒に食べたり、スープとして食べます。鶏肉のかわりに魚を入れれば「プラートムカミン」になります。

材料:
魚か鶏肉、塩、だし汁、香草の根っこ、ナンプラー、ターメリック(ウコン)、ホムデーン(エシャロット)、にんにく、レモングラスの味を感じられるスープ、コブミカンの葉、カランガー(しょうが)、香草

<こぼれ話>
レモングラスープと呼んでも過言ではないくらいレモングラスの風味が口の中に広がります。

7.いかめし「トゥパストン」Tupa Sutong ตูปะ ซูตง


「トゥパストン」という料理名はマレー語です。ソンクラー県、パッタニー県、ヤラー県、ナラティワート県で、結婚式などハレの日に作って振る舞われるイスラム文化に影響された前菜です。

材料:
イカ、もち米、パンダンの葉、ココナッツミルク、パームシュガー、塩

<こぼれ話>
結婚式など特別な日に作って振る舞われます。強火だと焦げるので火加減に注意が必要です。

8.ヘルシーなライスサラダ「カオヤムパックターイ」Khao Yum Pak Tai ข้าวยําปักษ์ใต้

健康ブームにより、タイの人々の間でも注目度が高まっているメニューのひとつです。ナームブドゥーという魚の内蔵を使った発酵調味料と乾燥唐辛子をご飯に混ぜて食べます。トッピングはもやし、インゲン豆、生サトー豆、きゅうり、人参、干しエビをつぶしたもの、炒りココナッツ、コブミカンの葉などです。お店や家庭によって具材は様々。香りの強い食材と、発酵調味料、唐辛子の程よい辛さが混ざり合って、南国気分が一気に上がります。

材料:
コブミカンの葉、しょうが、ホムデーン(エシャロット)、パームシュガー、ご飯(白米かバタフライピーで青く染めて炊いたご飯)、ローストココナッツシュレッド、干しエビ、コブミカンの葉、レモングラス、もやし、サトー豆(南部特産の匂いの強い緑豆)、ライムジュース

<こぼれ話>
辛くはありませんが匂いと塩気が強く、磯の香りがします。

タイプラー
Tai Pla
南部
発音はタイパーと聞こえる
塩+海魚の内蔵だけ
発酵1か月
ブドゥー
Budoo
南部
塩+海魚
発酵1年
濾していないので濁っている
プラーラー
Pla la
東北部
発音はパラーと聞こえる
塩+川魚+米ぬか
発酵1~2年
ナンプラー
Nam Pla
全国
塩+海魚
発酵1~2年
塩分がブドゥーより多め
濾しているので透き通っている

9.葉野菜と卵の炒めもの「バイリヤン・パットカイ」Bai Lheang Pad Kai ใบเหลียงผัดไข่


少し苦みのあるバイリヤンの葉っぱと卵を炒めた、色鮮やかで栄養価の高い炒め物です。唐辛子は入っていないので辛くありません。南部ではドライシュリンプを振りかけます。他県ではバイリヤンをバイミヤンと呼びます。

材料:
バイリヤンの葉、卵、にんにく、魚醤、オイスターソース、油(ラードがコクが出ておすすめ)

<こぼれ話>
緑の葉っぱが茶色くならないように強火で手際よく炒めるのがポイント。タイ北部で「ミヤン」とはお茶の葉を発酵させたもの。

10.くせのある匂いが病みつき?!豆とエビの炒め物「サトーパットクンソット」Sator Pad Kung Sod สะตอผัดกุ้งสด

サトーという南部を代表する緑色の豆の炒め物です。サトーと聞けばタイ人はタイ南部を思い浮かべるほど有名な豆です。湿った熱帯地域が栽培に適しているため、現在ではタイ南部だけでなく東部のラヨーン県、チャンタブリー県、トラート県でも栽培されています。南部のチュンポーン県、ラノーン県は高品質のサトー豆が採れます。パット=炒め、クン=エビ、ソット=生という意味。

材料:
エビ、にんにく、プリッキーヌ(唐辛子)、カピ(エビペースト)、サトー豆、ナンプラー、パームシュガー※辛くする場合は唐辛子の量を調整する

<こぼれ話>
サトー豆は噛むと口の中に広がる独特の臭みが特徴です。そして、この匂いがクセになるという人が多い食材です。サトーの豆の部分には、血圧を下げる効果や血糖値を下げる効果があると言われています。ただし、痛風の人は食べない方がよい食材です。

この料理は味付けの決め手はエビペーストの「カピ」です。このカピの材料のアミエビ(タイ語でクーイ)の良し悪しで炒め物の味が左右されます。

11.南部一激辛のドライカレー「クアクリンスィークームー」Khua Gling Zee Klong Moo คั่วกลิ้งซี่โครงหมู


南部で一番激辛のご飯が進む一品。すっぱいカシューナッツの若葉など南国ならではの生野菜の盛り合わせと一緒に食べるのもおすすめです。豚肉や鶏肉を南部名物の辛みそやカピ(エビみそ)、こぶみかんの葉っぱなどのハーブと炒めたドライカレー。

材料:
スペアリブ(豚肉や鶏肉のミンチはスペアリブよりも時短。スペアリブがおすすめ)、コショウ、チリ、レモングラス、生青唐辛子、ドライチリ、コブミカンの葉、にんにく、ピーマン、ターメリック、しょうが、レモングラス、塩、ブロス(肉や野菜などを煮込んで作られた煮汁)か水、ナンプラー、砂糖、エビペースト

<こぼれ話>お店でクアクリンペーストを販売しています。購入の際は、「ナムプリック・クアットクリン」や「ゲーン・クアットクリン」と言えば通じます。日本でも輸入食品取扱店などで購入可能です。

12.エビの辛佃煮「ナムプリック・クンシアップ」Num Prig Kung Seab น้ำพริกกุ้งเสียบ

タイ人がプーケットやパンガー県へ行ったら、定番お土産として買って帰るエビを使ったご当地珍味。濃い味付けで、生野菜などと一緒に食べます。ご飯が進む一品でもあります。
長期保存やお土産に適した佃煮のようなドライタイプ「ナムプリック・クンシアップ」と、より辛い液体タイプのエビ辛みそ「ナムプリッククンソッド」があります。


<こぼれ話>
プーケットやパンガー県には、エビの佃煮「ナムプリック・クンシアップ」の名店があります。

13.南部式炭火焼き鳥「ガイコレ」Gai Gorlae ไก่กอและ

ガイはタイ語で鶏肉、コレはカラフルな南部の漁船という意味です。数種類のスパイスや調味料をじっくり漬け込み、ココナッツミルクが香る南国らしい焼き鳥です。ハジャイ県、パッタニー県、ヤラー県、ナラティワート県で食べることができます。 

材料:
にんにく、ターメリックパウダー、塩、ココナッツミルク、レッドカレー、ドライチリ、ホムデーン(エシャロット)、ローストコリアンダーシード、フェンネル、シナモンパウダー、エビペースト、タマリンドジュース、ナンプラー

<こぼれ話>
ココナッツミルクのソースに漬けた鶏肉を炭火でじっくり焼きながら、途中ハケでさらにココナッツミルクのソースを鶏肉に塗るハケの乾燥を防ぎ、よい香りが増します。
カラフルな船「コレ」はパッタニー県、ナラティワート県が有名です。パッタニー県のパセーセウェー村は急深なビーチがあります。

14.南部式鶏の唐揚げ「ガイトートハジャイ」Gai Tod Hat Yai ไก่ทอดหาดใหญ่

下味がしみ込んだチキンレッグをじっくり揚げた食べ応えある唐揚げ。特徴は、唐揚げに香ばしく揚げたスライスエシャロットをかけること。このトッピングが南部式で、甘い香味野菜とチキンの組み合わせは万人受けします。カオニャオと食べるのが一般的です。

材料:
鶏肉骨付きもも肉(レッグ)、白コショウ、コリアンダーシード、フェンネル、コリアンダーの根、オイスターソース、醤油、塩、砂糖、小麦粉

<こぼれ話>学校帰りの子供たちのおやつとしても人気のストリートフードです。

15. ココナッツ入りクレープ「カノムターヤープ」Khanom Tar Yarb ขนมตาหยาบ


カノム=お菓子、ターヤープ=マレー伝統菓子のココナッツクレープ「Ketayap」が変化。現在では、結納や結婚式など特別な時にしか見かけなくなった激レアなお菓子です。

材料:
【餡】・・・細かく刻んだココナッツ(シュレッドココナッツ)、ココナッツシュガー、ブラウンシュガー、塩少々
【生地】・・・米粉、もち米、タピオカ粉、水、卵、パンダンジュース(緑の色付けや香りづけに使う葉っぱから摂ったジュース)

<こぼれ話>

昔はタイのお菓子を着色する時は、すべて自然由来の色を使っていました。緑はパンダンの葉っぱ、赤は赤い虫の色で、赤い虫の着色料はとても高価です。また、昔のタイのお菓子は、海外からの素材ではなくタイ国内で採れる材料から作られていました。バターや卵を使う文化は、アユタヤ時代のポルトガル商人の影響を受けています。

16.もちもち食感デザート「サークー」Saku สาคู

「サークー」は、タピオカに似たデザートです。サークーの原料は「サゴヤシ」というヤシの木で、インドネシアやマレーシアから来ています。サゴヤシの茎を削ったときに出てくるデンプン「サゴ粉」を丸めて加熱しゼラチン化したものを「サゴ」と言います。キャッサバイモが原料のタピオカによく似ていますが、サゴの方が食感は柔らかく、香りもよく高価です。

タイ南部以外では「サゴ」のことを「サークー」と呼びます。「サークーサイムー」という豚肉入り蒸し団子があります。甘く味付けした豚肉をもちもちしたタピオカの皮に入れて蒸した一品です。「サークー」とついていますが、サゴヤシではなくタピオカでできています。

タイ南部 食文化の旅

~ Unseen Thailand ~まだ訪れたことのないタイ南部の魅力をご紹介。タイ南部の食を楽しむとともに、魅力ある7つの地域をご案内します。

チュンポーン(Chumphon)

タイ湾の玄関口チュンポーン県。ダイバーの聖地として人気の高いタオ島(Ko Tao)へのアクセスは日中ボートを利用して行くことができるバックパッカーにも人気のデスティネーションです。チュンポーンの港を23時頃にたくさんのココナッツを運搬している通称「ココナッツボート」と呼ばれている船で出航すると、朝方6時にはタオ島へ到着、または、バンコクから列車でチュンポーンまで移動し、そこから昼便で移動の方法もあります。

ラノーン(Ranong)

アンダマン海、インド洋の玄関口がラノーン県。静かにのんびりとビーチリゾートで過ごしたい方におすすめの場所です。国際的な有名リゾートよりも宿泊施設がリーズナブルなこともあり、長期滞在者にも人気があります。ミャンマーにほど近いパヤーム島は、約3.5Kmに渡って続くアオヤイ・ビーチが有名です。また、ラノーン県のカシューナッツは甘みがあって美味しいと評判。お土産にもおすすめの逸品です。

パンガー(Phang Nga)/プーケット(Phuket)

タイ屈指のビーチリゾートとして世界各国からの旅行者やダイバーを魅了しているパンガーとプーケット。ここではいにしえの頃から伝統的な食文化、異文化が交流している地域です。
中華系タイ人(プラナカン)、マレー半島の影響を受けている食べ物や建物が多くあります。ガストロノミーの分野では、持続可能な生産と利用計画を実施するための重要な取り組みが行われています。プーケットは、「フードセーフティ」や「アンダマン・キッチン」といったプログラムを通じて、安全な食品流通に関する意識向上に多大な投資を行っており、持続可能な都市開発を進めるため、地元と国際協力を強化し責任ある持続可能な生産と地元食材の消費の実現に向けて取組んでいます。
世代間の対話を促進し、長年にわたって豊かな文化や知識の交流を深めてきました。こうしたことからUNWTO(国連世界観光機構)は、プーケットをガストロノミーシティと位置付けています。

スラーターニー(Surat Thani)

スラーターニーは、隠れ家的リゾートとして知られているパガン島(パンガン島)やタオ島がある県です。近年ラグジュアリーなリゾートも増え、富裕層やファミリー層の人気が高くなっています。バンコクのスワンナプーム国際空港からのアクセスは、2022年5月以降スラーターニーまで1日に4便運航予定です。

ナコーンシータマラート(Nakhon Si Thammarat)

長い歴史のある県で、日本ともゆかりのあるナコーンシータマラート県。およそ400年前のアユタヤ時代、駿河出身といわれている山田長政がタイで活躍し、当時の地名「リゴール」、現在の「ナコーンシータマラート」で終焉を迎えました。
ここでのご当地ならではの外せない物は、“カオゲーン”という名前の惣菜です。朝から店先にたくさんのおかずが並ぶ「ラーンカオゲーン(おかずのお店)」で、南部料理に舌鼓を打つのもおすすめです。
日本ではナコーンシータマラートのビーチは馴染みが薄いかもしれませんが、静かでゆったり過ごせるカノン・ビーチは、スカンジナビアの旅行者に人気が高いです。また、珍しいピンク色をしたイルカ、ピンクドルフィンウォッチングも楽しめます。

パッタルン(Phatthalung)

サークーの木から摂れるタピオカのような小粒のサークーで作る「サークーピアック」は必ず食べたい一品です。ナンタルンという影絵が有名で、食事をいただきながら影絵上映を鑑賞できるレストランもあります。

ソンクラー(Songkhla)/ハジャイ(Hat Yai)

古くから、中国とマレーシアの文化や人々が交差するソンクラー県。都市ハジャイは、写真映えするアートウォールやスポットが多く、アートシティとも呼ばれています。かつて倉庫だった建物は、洒落たカフェや雑貨店などに様変わりし地元やツーリストに人気です。
ここで外せないのは、じっくりと揚げたフライドチキン、「ガイコレ」です。タイ全国での屋台や学校帰りの小腹の減った子供たちのおやつにも人気で、揚げた鶏に同じくカリッと揚げた赤玉ねぎがトッピングされているのが特徴です。

タイの食文化について 〜北部編〜タイの食文化について 〜東北(イサーン)地方編〜

タイの食文化について 〜南部編〜タイの食文化について 〜中央部編〜

旅に必要なリスト

おすすめ情報・キャンペーン

スペシャル企画