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タイの食文化について 〜北部編〜

多くの民族の独自の料理表現が特徴
タイの食文化について 〜北部編〜
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タイ料理には大きくわけて、バンコクを中心としたタイ中部料理、プーケットなどのタイ南部料理、チェンマイなどのタイ北部料理、タイ東北部のイサーン料理と4つの郷土料理があります。今回は辛さがマイルドで食べやすい北部料理について、タイ国政府観光庁 東京事務所 所長セークサン・スィープライワンがご紹介します。

自然の恩恵を受けた北部ならではの郷土料理

苦味はうま味豊かな味わいになることが特徴

北部料理(別名:ランナー料理)は、タイ北部の文化伝統、気候が反映されています。タイ北部の人々は自然の恵みに感謝しながらすべての食材の恩恵を受けています。山の恵みの山菜、川の恵みの淡水魚など季節や時期によって旬の食材が変わりますので、お目当てのメニューがあるのであれば、時期に合わせて訪問を計画するもお勧めです。

タイ北部料理が他の地域の料理と大きく違うのは「甘さ」と「酸味」が足りないことです。代わりに「苦味」が加わることでうま味豊かな味わいになることが北部料理の特徴です。また、タイ北部には中国やチベット、ミャンマーなどから来た多くの部族が住んでおり、独自の料理方法で表現しています。アカ族、モン族、メオ族、ヤオ族、ラフ族、カレン族、チャーン族タイヤイ族などの人々もタイ北部料理を独自に進化させてきました。

北部おすすめご当地料理トップ5

1、色々なものを少しずつ食べられる北部伝統「カントーク」

「カントーク」とは丸いお膳にいろいろな料理を載せて取り分けるタイ北部の伝統的な食事です。そのお膳に乗っている代表的な3品は青唐辛子ディップ「ナムプリックヌン」、揚げた豚皮「ケープムー」、そしてソーセージ「サイウア」です。

青とうがらしのディップ「ナムプリックヌン」

「プリックヌン」という単語は、タイ北部でよく耳にする「唐辛子」のことで長くて淡い緑色をしています。地元の市場ではどこでも売っています。「ナムプリックヌン」の材料は焼いた青唐辛子(少し辛みのあるししとうをイメージしてみてください)、ニンニク、エシャロットなどとシンプルです。野菜や豚皮「ケープムー」とディップしていただきます。

クリスピーな揚げ豚皮「ケープムー」

揚げた豚皮「ケープムー」と青唐辛子ディップの相性は抜群です。このおつまみはタイ北部料理の代表的な一品で、おかずにもなり小腹を満たすおやつにもなります。「ケープムー」は、どこの市場でも売られています。

北部ソーセージ「サイウア」

タイ北部のソーセージ「サイウア」は、豚ひき肉と、レモングラス、しょうが、ニンニク、乾燥唐辛子、エシャロット、コブミカンやコブミカンの葉などの新鮮なハーブを大量に混ぜて作ります。タイ東北部のイサーン地方ソーセージ「サイクロー」のように、酸味の出る発酵した米は詰めません。サイウアは、前菜としてもち米と一緒に食べます。チェンマイ、チェンライなどほぼどこでも食べられます。

食べるならここで

2、ミャンマー風ポークカレー「ゲーン・ハンレー」(Gaeng Hung Le)

「ゲーン・ハンレー」は、ミャンマー風ポークカレーです。材料は豚肉(主に豚バラ肉)、乾燥唐辛子、レモングラス、しょうが、エビのペースト、ニンニク、エシャロット、タマリンドジュース、ピーナッツ、パイナップルです。肉の代わりにシーフードを使う場合もあります。薄切り生姜を添えてご飯と一緒に食べます。ゲーン・ハンレーは、タイ北部料理を象徴する一品です。豚バラ肉をハーブとスパイスでゆっくりと煮込むため時間がかかりますが、濃厚で芳香なソースが柔らかい豚バラ肉に染み込んで食べると感動するおいしさです。調味料に使われているエビのペーストは、インド洋を渡ってミャンマーからタイ西側地域に伝わってきたといわれています。

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3、北部版ミンチサラダ「ラープクア」(Larb Kua)

タイ北部ではカオニャオ(もち米)を主に食べるため、カオニャオによく合う料理として豚肉や牛肉のスパイシーミンチサラダ「ラープクア」が独自に進化しました。北部ラープと東北部ラープの主な違いはその辛さ。北部ラープの方がマイルドです。東北地方で必ず入るカオクア(炒ったお米)は入れずにマクウェン(花椒)を入れます。マクウェンは、ミカンのような風味を持つスパイスです。「ラープクア」は酸味がなく、色が全体的に黒く、赤身と脂肪の塊、歯ごたえのある腸の部分、レバー、砕いたスパイスと豚の血、ハーブを入れます。

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4、豚肉の煮凝り「ゲーンクラダーン」(Gaeng Kra Dang)


「ゲーンクラダーン」は、豚肉の煮凝りです。豚肉、カレーペースト、乾燥唐辛子が入った煮凝りは、北部地方の涼しい時期の料理と言っても良いでしょう。チェンマイやチェンライなど夜のうちに自然に固まった「ゲーンクラダーン」をもち米と一緒に食べるのが朝食でした。現在は、ゼラチンを入れることもあり、冷蔵庫で冷やすなど調理法が工夫され、年中食べられるようになりました。

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5、豚トマト麺「カノムチーン・ナムニャオ」(Kanom Chin Nam Ngiew/Kah-nome-jeen Nahm ngee-ow)

カレー麺「カオソーイ」と並んで、北部タイ二代麺料理と称されるのが豚米麺「カノムチーン・ナムニャオ」です。チェンライ県で広く食べられる料理で、チェンライではこのメニューのことを、「カオソーイ」と呼ぶこともあります。マイルドなタイ北部料理にしては珍しく辛味が強く、豚のスペアリブを煮込んだスープにトマトの酸味が加わった、あっさりとした口当たりのスープをそうめんのような米麺にかけて食べる料理です。
スープは深いさび色の赤い色で、少し油っぽいです。綿花”ドックギョウ”のガクが必ず入っています。

綿花”ドックギョウ”のガク赤い花を咲かせる綿の木の一種でそれ自体に特に味はなく、独特の歯ごたえがあり解毒作用が高いハーブです。

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タイ北部を楽しむおすすめのルート

おいしい食を求めて旅するのか、旅するから食べるのか。食と旅行は切り離すことはできません。タイを巡る美食の旅は、すればするほど、見れば見るほど、たくさんの味に出会えます。地元料理を食べるのは文化探求の最良の方法のひとつです。タイ語で「おいしい」を「アロイ」と言い、北部の方言では「ラム」(LUM)と言います。食べるは「キン」(KIN)で、おいしいものを食べるは「キンラム」(KIN LUM)です。タイ北部料理を満喫する旅でたくさんの「キンラム」を体験してください。

≪1日目≫歴史的な街チェンマイへ

地元料理や食材の宝庫「ワローロット市場」

チェンマイ最大の屋内市場「ワローロット市場」へ。3階建ての建物には、生鮮食料品や衣類、伝統工芸品など約500もの店舗がひしめき合い、活気に溢れています。食品は味見することもできるので現地の味をお土産にするのも一案です。

健康志向のライフスタイルを体験「バーン・ライゴーンキン・コミュニティ」

バランスの取れた食生活、健康的な生活、十分な睡眠が免疫力を高め健康な暮らしに繋がると信じているコミュニティの生活体験ができます。地元の伝統的な知恵を通じて生き方を学ぶヘルスツーリズムの旅です。
【文化体験の一例】
・地元の知恵が詰まった「ハーブボール」作り
・ランナーの知恵で心身をリラックス、温熱マッサージ「ヤムカン(YumKhang)」
・ご当地カレー麺「カオソーイ」クッキング
・伝統舞踊鑑賞

辰年の人にご利益がある寺院「ワット・プラシン」

チェンマイで最も格式の高い寺院として知られる「ワット・プラシン」はチェンマイ観光で外せない名所。本堂と黄金の仏塔とのコントラストが美しく、本堂の壁に描かれた壁画も一見の価値あり。

銀の寺「ワット・シースパン」

「ワット・シースパン」は別名「銀の寺」と呼ばれるユニークな寺院。約600年前に建立された本堂が銀一色に様変わりしたのは2000年代に入ってからのこと。寺院のあるチェンマイの銀細工の村 (ウアライ・コミュニティー)には銀細工の工房が多く、村人が本堂を銀で改修したことで現在の姿に。タイでも銀色の寺院は珍しく、多くの観光客が訪れます。

料理の鉄人出演の人気シェフの店「フアンムアンジャイ」

レストラン名の「フアンムアンジャイ」は「幸せな家庭」という意味。2011年から本格的なタイ北部料理を提供するレストランとして親しまれています。料理の腕を振るうのは30年以上の経験があるベテランシェフ。このシェフがテレビ番組「料理の鉄人」に出演したことをきっかけにさらに知名度が上がりました。2020年と2021年2年連続でビブグルマン取得し味も定評があります。

≪2日目≫美しい庭園や寺院が点在するチェンライへ

レストラン「ナムニャオ・パースック」でご当地豚トマト麺「カノムチンナムニャオ」

タイ北部2大麺料理の豚トマト麺「カノムチンナムニャオ」は、辛さがマイルドな北部料理にしては珍しく、スパイシーな麺料理です。スペアリブを煮込んだスープにトマトや豚の血ゼリーなどが入ってコクのあるスープをかけて食べるそうめんです。

青い寺「ワット・ロンスアテン」

通称「ブルーテンプル」と呼ばれる「ワット・ロンスアテン」は、その名の通り、外観も内部も瑠璃色で統一された寺院。本堂には、純白の仏が安置されていて、美しいコントラストを魅せてくれます。

白い寺「ワット・ロンクン」

通称「ホワイトテンプル」と呼ばれるタイの寺院の中でも唯一無二に個性的な寺院「ワット・ロンクン」はチェンマイ郊外にあります。チェンライ出身の新進気鋭の若手デザイナーによって私設された純白の寺院は、仏教や神話をモチーフにしたデザインが特徴です。

絶品コーヒーを栽培する「アカ族の村」


タイの山岳民族の中でもっともカラフルな民族衣装に身を包むアカ族は、伝統を守りながら自給自足の生活をしています。農産物や家畜飼育に熟練しており、中でもコーヒー豆は注目されており、世界中のコーヒー愛飲家から人気があります。

豚の燻製がお勧め「サルンカム」

1992年オープンの北部料理のお店。2022年3月にリニューアルオープンしました。受け継がれたレシピを上質な食材で調理して提供しています。7時間以上かけてじっくりとオークで燻製にした豚肉がお勧めです。他にもチェンマイソーセージ「サイウア」やポークリブ、豚トロのグリルなどもお試しください。

チェンライ・ウォーキングストリート

チェンライのタナライ通りやハッピーストリートのウォーキングストリートは、夕方からローカルフードの屋台や土産店が軒を連ね、多くの人で賑わいます。

・タナライ通り土曜夜市
タナライ通り銀行交差点からノンシチェン交差点まで毎週土曜日に開催される夜市。 時間は午後4時から午前12時頃まで。雑貨、工芸品、屋台料理などが軒を連ねます。
・サンコンノイ通り日曜夜市
サンコンノイ通り(通称ハッピーストリート)で開催される夜市。時間は午後4時から午後11時頃まで。
・ウィアンチャイ市営生鮮食品市場
時間は午後4時から午後10時頃まで。

≪3日目≫チェンマイでゆっくり過ごす

ミシュランプレート取得の「クルアペット・ドイガーム」

名物は、地元で捕れた新鮮な魚をハーブやスパイスで味付けし、竹筒で蒸し焼きにしたスモークフィッシュ。またご当地ミンチサラダ「ラープ」の北部版「ラープクア」もおすすめです。ミシュランの基準を満たした料理が評価される「ミシュランプレート」を2021年、2022年と2年連続で獲得しています。タイ北部ソーセージ「サイウア」や青唐辛子ディップ「ナムプリックヌム」の作り方を学び、ランチで試食。

オーガニック&フェアトレードのコーヒーを楽しめる「アカ・アマ・リビングファクトリー」

オーナーは、アカ族の村出身のリーさん。生まれ育った村の力になりたいという想いで、自家焙煎の本格コーヒーショップをオープンし、リビングファクトリー店はその3店舗目。チェンマイ市内から車で約40分と少し離れていますが、アカ族の知恵が詰まったおいしいコーヒーを味わえる隠れ家的空間です。焙煎工場も併設されていて、生産工程を見ることもできます。

フォークソング歌手の生歌が聞ける「フアンスントゥリー」

タイ北部のフォークソング歌手スントゥリーさんが経営する人気店。2020年には価格以上の満足度が得られる店としてビブグルマンを取得したほか、毎晩生演奏でスントゥリーさんの歌声を聞くことができます。

お土産を買うなら「チェンマイ・ナイトバザール」


伝統工芸品から食べ物、衣類などの約700の店が軒を並べる、チャンクラン通りのナイトマーケット。この周辺はホテルやショッピングセンター、レストランなどが集中する市内で最も賑やかな場所のひとつで、夜遅くまで観光客で賑わっています。

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